💡 概要
本ツールは、過去12か月分の出荷(販売)データから、その商品の「需要のばらつき」を統計的に解析し、欠品を起こさないための防衛ライン(安全在庫)と、月別の最適な発注タイミング(発注点)を自動計算する実務用シミュレーターです。
🛠️ 操作手順
- データ入力:各月のフォーム入力、または「ファイルを選択」からCSVファイルを指定すると即座にデータが一括反映されます。
- パラメータ設定:調達リードタイム(日数)、発注サイクル(日数)、および許容する欠品リスク(安全係数)を設定します。
- 計算実行:「計算を実行する」ボタンを押すと、右側に月別のシミュレーション表が生成されます。
📊 計算項目の解説
- 1日平均需要:各月の実績を30日で割った、日次の平均出荷量です。
- LT内需要:調達リードタイム(LT)中に、平均して何個売れるかを表す数字です。(1日平均需要 × リードタイム)
- 安全在庫:過去12か月のトレンドから販売のばらつき(標準偏差)を求め、リードタイム中の不測の需要増に備えるための固定防衛ラインです。
- 発注点(最重要):実在庫がこの数値を下回ったら即座に発注が必要です。「LT内需要 + 安全在庫」で算出されます。
- 適正在庫数(最大目安):過剰在庫を防ぎつつ欠品を回避するための、倉庫内の在庫保持目標の上限値です。
📝 具体的な数値を用いた計算例
基準データ(1月:1,250〜12月:1,350個)、リードタイム: 5日、発注サイクル: 7日、安全係数: 1.65 (欠品5%) の正しい計算プロセスです。
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月次標準偏差(ばらつき)の算出
12か月分のデータの合計は 25,650個、その平均値は 25,650 ÷ 12 = 2,137.5個 です。
この平均を基準に、各月がどれだけ離れているかを表す「月次標準偏差」を求めると、約1,123.3個 となります。
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日次標準偏差への変換
1か月=30日として、日次のばらつきに直すために $\sqrt{30}$ (約5.48) で割ります。
1,123.3 ÷ 5.48 = 約205.1個 / 日
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安全在庫の計算(防衛ラインの決定)
式: 安全係数 (1.65) × 日次標準偏差 (205.1) × √リードタイム (√5 ≒ 2.236)
計算: 1.65 × 205.1 × 2.236 = 756.6 ⇒ 約 757 個(これが全月共通の安全在庫となります)
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月別発注点の計算(例: 7月の場合)
7月の販売実績は 4,500個 です。
- 7月の1日平均需要: 4,500個 ÷ 30日 = 150個
- 7月のリードタイム(5日)内需要: 150個 × 5日 = 750個
- 7月の発注点: 750個 (LT内需要) + 757個 (安全在庫) = 1,507個
📦 適正在庫数の求め方と、その計算例
本ツールで算出された結果をもとに、倉庫内で保持すべき「適正在庫数(在庫の最大保有目安)」を決定します。
📈 適正在庫数の算出公式:
適正在庫数 = 発注サイクル内需要 + 発注点
※「発注サイクル内需要」= 1日平均需要 × 次の発注までの間隔(日数)
【計算例】7月のデータを基準とし、発注サイクル(発注間隔)を「7日」とする場合:
- ① 7月の1日平均需要:ツール結果より 150.0 個
- ② 7月の発注サイクル内需要:150.0個 × 7日 = 1,050 個
- ③ 7月の発注点:ツール結果より 1,507 個
- ④ 7月の適正在庫数:1,050個 (サイクル内需要) + 1,507個 (発注点) = 2,557 個
💡 実務での捉え方: 7月においては、在庫が 1,507個(発注点) まで減った瞬間に発注を行い、発注直後の最高在庫量が 2,557個(適正在庫数) 付近に収まるように管理することで、過剰と欠品を両方防ぐ運用が可能になります。